横須賀出身の俳優・窪塚洋介さんが主演し全編パリで撮影された映画「UGLY/アグリー」が12月10日より、渋谷・シネクイントほか全国で順次劇場公開される。
12月5日に東京都内の映画館で完成披露試写会が開かれ、主演の窪塚さん、桃生亜希子さん、監督の柿本ケンサクさん、脚本・音楽を担当した共同監督の半野喜弘さんらが舞台挨拶を行った。同作品は、パリで暮らす兄弟の死の理由を探ろうとするカメラマン「カズヤ」を通して、現代に生きる若者の姿を描いたもの。
同映画は3月10日にパリで撮影開始したが、翌日に東日本大震災が発生。映画制作も影響を受けたという。今年8月にウェブ上の映画館「THEATRE TOKYO」のオープニング作品として公開され、反響が大きかったことから劇場公開が決まった。
柿本さんは、「ミニシアターが次々と閉館する中で、代わりの受け皿としてパソコンで見られる映画館を作った」といい、劇場公開にこぎつけて「うれしい」とも。半野さんは「パリではインスパイアされることが多かった。死をどう捉えるか、生をどう理解するかということが作品の根底にあります」とコメントする。
震災以降、窪塚さんは地元・横須賀のライブハウスで復興支援ライブを行うほか、横須賀の若者グループらとともに被災地への救援物資輸送や炊き出しなどの支援活動にも加わってきた。
窪塚さんは「(パリから)帰ってきてから被災地に炊き出しに行った。何ができるか考えたときに自分らの得意なことをやることが復興につながるし、気持も上がってくると思う」といい、「(映画では)危機に立って何もできない等身大の日本の若者の代表として演じた。何かを感じてもらえたら」と話している。