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東京湾の無人島・猿島で、初の「地引き網」-ヨコスカ海と大地のプロジェクト

横須賀沖にある無人島・猿島で、伝統漁法の「地引き網」

横須賀沖にある無人島・猿島で、伝統漁法の「地引き網」

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 東京湾の無人島「猿島」(横須賀市猿島)で12月22日、伝統漁法の「地引き網」が行われ、網に掛かった新鮮な海の幸を収穫した。同島で地引き網の実施は初めて。横須賀商工会議所が推進する「ヨコスカ海と大地のプロジェクト」の一環。

地引き網の中では、スズキ・メゴチ・アジなどの魚が跳ね回る

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 当日は、前夜から降り続いた雨も上がり、気温17度と暖かい日差しに恵まれ、島の浜辺からは富士山も眺望できた。地引き網には、横須賀東部漁協の漁師約30人のほか、市内事業者ら約20人が参加。海上で2隻の漁船が網を広げ、浜辺に並んだ参加者たちが網の両端に付いたロープを引き上げる。逆U字型になったロープの両端には、それぞれ十数人がスタンバイ。

 地元漁師からは「おめっさも引っ張れよ」「ヨイショ、ヨイショ」と威勢のいい掛け声が上がり、全員が力を合わせてロープを引いた。引き揚げた網の中には、スズキの若い魚フッコ、メゴチ、フグ、ナマコ、ボラ、アジなど10~30センチ大の魚が入っていた。

 地引き網は、網の場所を変えながら3回実施され、収穫した新鮮な魚はその場でバーベキューに。スズキの塩焼き、漁師鍋、特製「猿島ワカメみそ」を付けた焼きおにぎりも提供された。

 初めて参加者した人たちは「最初はロープだけしか見えなかったが、引いてるうちに網が見えてきた」「がんばって引かないと網が揚がらない」「まるで海と綱引きしているようだ」と笑顔をみせた。

 今回の地引き網は、来年予定する一般向けモニターツアーの準備としてテスト操業したもの。「ヨコスカ海と大地プロジェクト」では、横須賀の地産地消体験、地域資源開発、隠れた魅力の再発見などさまざまな取り組みを行う。経済産業省「地域資源∞全国展開プロジェクト」の支援事業。

 同会議所の小幡純さんは「今後は市内の中学・高校生などにも体験してもらい、食育体験にも活用したい」といい、「漁の閑散期など漁師さんたちに手伝ってもらい、定期的に実施できれば」と話す。

 来年1月29日に、「ヨコスカ海と大地の収穫体験モニターツアー」を実施予定。同ツアーでは、津久井浜の農園でキャベツ収穫体験、地産地消ランチ、地引き網体験、軍港めぐりなどを予定。募集期間は12月24日~2011年1月14日。参加費2,000円。定員40人(先着順)。JTB首都圏が募集する。問い合わせは同横須賀支店(TEL.046-824-4218)まで。

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