満開の桜が咲き誇る県立塚山公園(横須賀市西逸見町)で4月8日、「三浦按針祭観桜会」(William Adams Cherry Blossom Party)が行われ約200人が集まった。
友好を深める吉田雄人・横須賀市長、英国大使館のギャレス・デリック大佐、オランダ大使館のノーラ・デッスィングさん
同観桜会は横須賀市が主催する国際式典で、徳川幕府の外交顧問として航海術や造船技術を日本に伝えた英国人ウィリアム・アダムズ(三浦按針)の業績をしのぶ式典。今年で63回目。同日、塚山公園さくら祭りも開催された。
当日は供養塔に献花が行われたほか、吉田雄人・横須賀市長、英国大使館駐在武官のギャレス・デリック大佐、オランダ大使館一等書記官のノーラ・デッスィングさんからあいさつと祝辞が述べられた。
吉田市長は「アダムズの生誕地、英国ジリンガム市(現在のメッドウェイ市)とは姉妹都市。オランダとは通商400年。両国との友好と長い歴史の積み重ねで按針祭が開催できることに感謝したい」とあいさつ。デッスィングさんは「歴史上重要な役割を果たした人物とその業績を私たちの胸に刻み続けてくれている横須賀市に感謝する。次の世代もきれいな桜の花の下で交流を深めていけるよう願っている」と話した。
アダムズは1600(慶長5)年、九州豊後にオランダ船リーフデ号の航海士として来航。その後、幕府の外交顧問として活躍し、平戸にオランダ商館と英国商館が設立され、日本と両国との交流が始まった。徳川家康の信任が厚く、相州三浦郡逸見村(現在の横須賀市逸見)に領地を与えられ、「三浦按針」という日本名を名乗った。同地にある塚山公園には、アダムズと日本人妻のものといわれる供養塔が残り、国の史跡に指定されている。