ニューヨークを拠点に活躍する写真家・トヨダヒトシさんが9月11日～13日、横須賀美術館（横須賀市鴨居4、TEL 046-845-1212）海の広場で「Toyoda Hitoshi Visual Diary」と題した野外スライドショーを行う。

前回の野外スライドショーの様子

　トヨダさんは作品をプリントして発表せずに、何も跡を残さない写真表現として「スライドショー」で映像日記作品を各地で発表する写真家。自身の写真表現をトヨダさんは「闇に挟まれながらスクリーンに現れる『像』は手を伸ばしてもつかむことはできず、日々の中での失敗や喜びのように時間に押し流されて消えていく」ものだという。

　上映するのは音を使わないサイレント作品。ブルックリンの裏庭から1年余りの日々の出来事を撮影した「NAZUNA」（11日・上映時間90分）。2005年春先のニューヨークの平凡な道から始まる510枚の映像日記「spoonful river」（12日・同80分）。日記をつけるように写真を撮り始めた第1作「An Elephant's Tail」（13日・同40分）の上映とアーティストトーク（手話通訳付き）も行う。

　同館学芸員の中田貴絵さんは「音のない映像のみの作品で、背景には波や風の音がかすかに聞こえる映像イベント。日常の小さな出来事とまじめに対話している写真家で、秋らしい静けさの中で映像の美しさを楽しんでもらえたら」と話す。

　開催時間は18時30分～。入場無料。食事・飲み物の持ち込み自由。同館レストラン「アクアマーレ」でドリンク販売も行う。