横須賀港に係留された歴史遺産「記念艦三笠」の甲板上で11月3日、米海軍第7艦隊ジャズコンボなどが演奏する「三笠艦上ジャズ」が行われ、大勢の観客を魅了した。街ぐるみのジャズフェス「横須賀トモダチジャズ2024」オープニングセレモニーの一環。
同艦には小泉進次郎衆議院議員らも応援に駆け付け、「戦後のジャズは横須賀発祥という機運を盛り上げたい。スカジャンも横須賀」と会場を沸かせた。上地克明横須賀市長は「ほかでもない横須賀が音楽の街」と強調。3組の地元ビッグバンドが続き、艦上演奏を盛り上げた。
2016(平成28)年から続く同フェス。今年は産直施設ポートマーケットやヴェルニー公園など海沿いの会場を新設したほか、リドレ、モアーズシティ、三笠通りなど街角での演奏も。異国情緒あふれるドブ板通りでは、デキシースタイルの「ジャズパレード」が人気を集めた。
戦後ジャズ発祥の地となった「EMクラブ」(旧海軍下士官兵集会所)跡地に建つ「ヨコスカ・ベイサイド・ポケット」では、ジャズ界の新人賞「ちぐさ賞」グランプリの若手ミュージシャン3人が演奏。「フリージャズの巨匠」として知られる山下洋輔さんのライブも盛況だった。
「軍港の街がジャズに染まる」をテーマに11月2日~4日の3日間、60組約700人のアーティストが競演。横須賀中央~汐入エリアの12会場で実施され、市内外から約2万人が来場した。
同フェスは、文化庁の「令和6年度 文化芸術創造拠点形成事業」認定を受けた。実行委員会の長坂利広さんは「街を歩いているとジャズ゙の音色が聞こえる。そんな横須賀がかっこいい」と言う。「若手を中心に市民サポーター110人がイベント運営を支えてくれた。街の個性を生かしたイベントを、皆さんと一緒に育てていきたい」と話す。