横須賀市長選の立候補予定者を招いた「公開討論会」が6月10日、ヨコスカ・ベイサイド・ポケット(横須賀市本町3)で開催され、市民約500人が集まり熱心に聞き入った。横須賀青年会議所が主催。
市長選に出馬を表明したのは、現職市長1期目の吉田雄人さん(37歳)、前副市長の広川さとみさん(61歳)、市民団体前代表で園芸業の岸牧子さん(56歳)の3人。市民への事前アンケートから選ばれた「市民に何を問う選挙か」「経済活性化」「行財政改革」「教育・子育て環境向上」などについて討論した。コーディネーターは同市出身の経済評論家・池田健三郎さん。
再選を目指す吉田さんは、「選ばれるまち横須賀」のビジョンを掲げる。脱官僚を合言葉に4年前に当選以来、ハコモノ主義からの脱却や行政のスリム化を推進。市内人口減少を最大課題と捉え、子育て支援のほか、地産地消・観光集客・シニアマーケット・環境エネルギーなど「成長分野への重点投資を行う」と話した。
広川さんは、市職員時代に横須賀リサーチパーク(YRP)を誘致した実績から、国や県とのパイプを強調。子育て支援、横須賀中央エリアなど市街地活性化、横浜横須賀道路の通行料値下げ、「海遊回路」を作り周遊観光客による経済効果拡大など。「定年退職者の再任用による人件費削減、社会貢献できる人材雇用を進めたい」と訴えた。
岸さんは「横須賀市民9条の会」などに取り組み、原子力空母の母港化撤回、原発ゼロを目指した再生エネルギー普及、放射能から子どもを守るなどをテーマに各地でミニ集会を開催。住民投票制度による市政参加、障害者の就労支援、中小企業を応援して地元雇用推進など。「子育てするなら横須賀と実感できる街に」とアピールした。
候補者の人柄を知るため、40の質問に候補者が即答する「○×クイズ」なども行われた。同会議所理事長の武藤修儀さんは「具体的な政策を討論し合うことで、選挙への関心を高めていきたい」と呼び掛けた。
横須賀市長選の公示は6月23日。投票日は30日。