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ご当地カレー人気No.1は「門司港焼きカレー」-横須賀カレーフェスに5万6千人

1時間待ちの長い行列ができ、2日間で2,300食を完売した「門司港焼きカレー」(福岡県北九州市)のブース

1時間待ちの長い行列ができ、2日間で2,300食を完売した「門司港焼きカレー」(福岡県北九州市)のブース

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 日本最大級のカレーフェス「復興支援よこすかカレーフェスティバル2011」が5月7日・8日に横須賀で開催され、「ご当地カレーNo.1コンテスト」で福岡県北九州市の「門司港焼きカレー」が総合グランプリを受賞した。同フェスには7日に約1万2,000人、8日には約4万4,000人が集まり、昨年より1万4,000人多い約5万6,000人と過去最高の来場者数を記録した。

ご当地カレー人気No.1、グラタン風に焼き上げた「門司港焼きカレー」

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 会場の三笠公園(横須賀市稲岡)には、全国18市町村・20種類以上のご当地カレーが出店。カレーを購入した来場者に投票券を発行し、得票数で「ご当地カレーNo.1」を競い合った。東日本大震災の被災地からも、宮城県岩沼市「牛タンカレー」、福島県会津若松市「会津地鶏カレー」、茨城県土浦市「土浦ちんぎすスープカレー」、千葉県旭市「モツカレー」などが参加した。

 初開催された同コンテストでは、各日毎に7日賞、8日賞が設けられ、2日間の総得票数でグランプリを決めた。1位の総合グランプリは約2,300食を完売した「門司港焼きカレー」(519票)、2位は神奈川県平塚市「弦斎カレーパン」(386票)、3位は長野県大町市「黒部ダムカレー」(235票)。4位に岩沼市「牛タンカレー」、5位に地元横須賀「すこやか軍艦カレー」が入った。総投票数は2,746票。

 門司港焼きカレーは、昭和30年代に門司港の喫茶店で余ったカレーにチーズやタマゴなどをのせてグラタン風に焼いたことがきっかけで誕生したカレー。2007年に「門司港焼きカレー倶楽部」を設立、24店舗が同カレーを提供し、レトロな街・門司港をPRしている。

 同カレーチーム代表で、北九州市門司港レトロ課の村崎敏郎さんは「思いがけない評価に驚いている。門司港焼きカレーはどこにもないオンリーワンのカレー。皆さんに門司港観光に来ていただき、本場の焼きカレーも味わってもらえたら」といい、「被災地の皆さんを応援するためにも、西日本や九州にいる自分たちが元気さを発信して頑張りたい」と話す。

 会場には、市内カレー17事業者が出店した「カレーの街よこすかエリア」、12事業者による「カレーバイキングエリア」、B級グルメを集めた「全国ご当地グルメエリア」なども設けられ、大勢の家族連れなどでにぎわった。

 同フェスでは東日本大震災復興支援の一環として、風評被害を受けている福島県会津若松市を支援する「がんばれ!会津地野菜」コーナーを特設し、名産品のアスパラガス・米などトラック数台分の会津野菜を完売。会場内には10カ所に募金箱も設置した。

 会津地野菜コーナーには、津波で被災した福島県浪江町出身で19歳の志賀秀章さんもボランティアとして参加。志賀さんは今春高校を卒業して就職先も決まっていたが、地震・津波で実家が倒壊、就職先の会社も被災したため、避難所暮らしを続けている。「何もしないと落ち込んでしまうので、外に出て何かしたいと思い、知人に誘われて会津野菜の販売を手伝った」という。「一人では何もできないが、皆で助け合うことが必要だと思う。大勢が集まる横須賀のイベントに参加して、たくさんの元気と励ましの言葉をもらいうれしかった」と志賀さんは笑顔を見せた。

 震災の影響で自粛ムードが続く中、復興を支援する形でイベントを再開する地域も増え始めている。今年13回目を迎えたカレーフェスも、例年以上の盛り上がりを見せ、イベントを通じて地域を超えた交流や被災地からの出店など、舞台裏の人間ドラマも垣間見えた。

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